講座概要

人と人が出会う場面で、言葉がやりとりされ、会話となっていきます。相手にどのように言葉をかけていくか、どのような言葉を返していくかということは、相談を受ける私たちにとって、まさしく面談の中心となる部分であり、もっとも気を遣うところです。なぜなら、私たちが選択する言葉の1つひとつが、相手が語るナラティヴに多大な影響を及ぼすからです。ナラティヴ・セラピーでは、会話において、今まで語られることのなかったナラティヴや本人に取って好ましいナラティヴが語られるように相手を招待していきます。

本講座では、ナラティヴ・セラピーを支える基本的な概念やその方法をできるだけ専門用語を使うことなく説明します。そのうえで、カウンセリングのデモンストレーションを通じてナラティヴ・セラピーのイメージをつかんでもらい、より具体的に理解することができます。

面談でのやり取りをより深く理解するために、2つのセッションと、それぞれについて二種類の動画をご用意しました。ひとつは、カウンセラーとクライエントのセッションを録画しただけものです。もう一方は、その会話に、カウンセラーとクライエントがその時にどのようなことを考えていたのかについてのコメントを動画内に挿入したものです。カウンセラーとクライアントがその時にどのようなことを考えていたかを照らし合わせることによって、みなさんの理解がより深まることでしょう。

またみなさんの理解をより豊かなものとするために、セッションのあとで、その場を観察していたカウンセラーのグループ、クライアント、カウンセラーが振り返りをする場面も収録しています。他のカウンセラーがカウンセリングセッションをどのように理解したのか、クライアントがセッションを振り返って何を感じたのか、また、カウンセラーは何を意図していたのかについてみることによって、より多面的な理解を提供してくれます。

対象

カウンセラー、キャリア・カウンセラー、キャリア・コンサルタント、または対人援助職に就くもの

目 次

第一章 講義
 1. ナラティヴ・セラピーとは (5分)
 2. 「名」の話 (26分)
 3. 「問題」を存続させるもの (12分)
 4. 「文脈」の話 (12分)
 5. 外在化する会話法 (10分)
 6. 相手に文脈を提供する (6分)
 7. 物語の構造 (11分)
 8. ナラティヴ・セラピーの進め方 (7分)
 9. アイデンティティ (5分)
 10. ナラティヴの質問の形式 (8分)
 11. 外在化する会話 (3分)
 12. 脱構築 (10分)
 13. 再著述する会話 (17分)

第二章 デモンストレーション① 「Aさんとの面接」
 1. 面接のデモンストレーション (32分)
 2. リフレクション (13分)
 3. 全体共有1 (3分)
   全体共有2 (2分)
 4. カウンセラー、クライアントへの質問 (23分)
 5. 面接のデモンストレーション ~コメント付き~ (32分)

第三章 デモンストレーション② 「Bさんとの面接」
 1. 面接のデモンストレーション (34分)
 2. リフレクション (15分)
 3. カウンセラー、クライアントへの質問 (16分)
 4. 面接のデモンストレーション ~コメント付き~ (34分)

第四章 質疑応答 (10分)

講 師

国重 浩一 (くにしげ こういち)氏
ニュージーランドに在住し、「NPO法人ダイバーシティ・カウンセリング・ニュージーランド」で移民や難民に対するカウンセリングを提供(マネージャー兼スーパーバイザー、カウンセラー)。
ワイカト大学カウンセリング大学院修了。臨床心理士。
ニュージーランド・カウンセラー協会会員(MNZAC: Member of New Zealand Association of Counsellors)
鹿児島県スクールカウンセラー、宮城県緊急派遣カウンセラーを経て現職

受講料

12,000円(税抜)

受講期間

180日

セッションの構造と学び方

本作は大きくわけて講義とデモンストレーションにわかれています。

講義については、それぞれの単元ごとに映像を分割しておりますので、みなさんのペースに合わせて観ていくことができます。一本の長い映像だと、単元の頭出しなどに手間取ってしまうことがありますが、すぐに再生することできます。

グループで見る場合には、この単元ごとにグループで、理解したこと、疑問に思ったこと、より考えていきたいことなどを共有しながら進めてください。

デモンストレーションには、Aさん、Bさんの二つの面接を収録しています。

このデモンストレーションの映像は次のような構成となっています。①面接映像(コメントなし)、②リフレクション(他のカウンセラーからの振り返り)、③全体共有(デモンストレーション1のみ)、④カウンセラー、クライアントへの質問、そして⑤面接映像(コメント付き)です。

「面接映像(コメント付き)」では、どのような意図でカウンセラー、クライアントがその発言をしたのか、そのときどのようなことを考えていたのかを映像にあわせてコメントを挿入しています。映像を一時停止しながら、両者のコメントにご注目ください。カウンセラーとクライアントの心境を確認しながら、面談を理解することによって、別の角度から理解することができます。

面接映像だけから得られることは多分にあると思いますが、リフレクションや質疑応答などの、その面接場面に対する多角的な視点を提供することによって、みなさんがより深く理解できるようになるでしょう。

受講者の声
受講者の声1 言葉には命があり重みがあることは前から理解していましたが、自分が発した言葉によって自分の気持ちが変わっていくことを感じました。
人が変わる可能性というのは、外からの影響もあるとは思いますが、元々持っている自分の力が大きいことが理解できました。

そうだとすると、それを発見できないのはなぜか?ということも考えました。相談を進める上でもしかしたらカウンセラー側が邪魔しているのではないかと思いました。国重先生のセッションを拝見して、自然に相談者が自分の力に気づくプロセスを感じられたので、今後の相談場面にとても大きな力を頂いたと思います。
(30代 男性 カウンセラー)

受講者の声2 ナラティヴ・セラピーについて学ぶというよりは、日々の暮らしの中で、私たちが当たり前にしていることを見直し、もっと謙虚に物事を見ることができないか、わかったつもりになる前にもっと慎重にそのことをわかろうとする必要があるのではないかと問われている気がしました。この講義そのものが「新しい文脈への誘い」であったことに気づかされました。
 国重先生の実際の面談も収録されており、その態度や姿勢に驚かされました。ナラティヴ・セラピーの実践家だからこそできる講義、面談であったと振り返っています。
(30代、女性、キャリアコンサルタント)

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